今回は、世界中を駆け巡っていらっしゃる今田 純さんに、日比谷でお米話を伺いました。
米BCD:本日は宜しくお願い致します。
今田:宜しくお願いします。
米BCD:早速ですが、お米ってどのくらいの頻度で食べられますか?
今田:そうですね、7日間×3食の内だと2〜5食ぐらいかな?家で茶碗だと少なめに盛って、外食だと「小」を頼む感じですね。
米BCD:軽く盛るといった感じでしょうか。
今田:恐らく「軽く」の半分くらいかもしれない。やはり最近は控えるようにしてますね。家ではほとんど食べません。なので、がつっと食べてた頃の話を織り交ぜて、という感じになると思います。
米BCD:ありがとうございます。今田さんは、茶碗に盛ったご飯を白いまま食べたい方ですか。それとも…。
今田:絶対、汁とかで汚して食べたい方ですね。基本的に味付きご飯が好きなので。でも不思議なもので、娘は白いまま食べるんですよ。保育園のころから、おかずだけ先に食べてしまって、最後に残ったご飯を白いまま食べるという。私はできないですけど。
米BCD:デザート的な感覚なんですかね?食後に大福みたいな。
今田:そうなんでしょうかねー。私は「醤油かけたい!」とか思っちゃう。なんか少しでも一緒に食べるおかずが欲しいんですね。若いころはご飯でお腹膨らませなきゃいけなかったんですけど、それでも納豆とかそういうのと食べてた。まあ、半パックで3杯とかいけましたけど。
米BCD:何か少し欲しいのですね。炊きたてだと、そのままでも食べられたりとかありますか?
今田:確かに炊きたてだと独特の甘みもありますし、食べられそうですね。
米BCD:食べられそう、といいますと?
今田:あんまり炊きたてを食べる場面に遭遇することがないんですね。こういうこと言うと可哀想な人みたいに思われそうですけど(笑)。子どもの頃はあったと思うんですけど、学生時代はわりといい加減な食生活でしたし、今は帰ると炊いて4時間ぐらいなことが多いし。もちろんタイマーセットとかでやればできるんですけど、敢えてやったりはしないかなー。
米BCD:そうなんですね。汚し派ということは丼ものはお好きですか?
今田:好きです。特にカツ丼は大好きですね。いくらご飯を控えるといっても、カツに米なしは考えられませんね。カツ煮定食見ても「乗っけて!」って思っちゃうぐらいですから。カツ煮の皿に残る汁の処遇をどうするんだ!って。
米BCD:わざわざ分離して食べなくても、という感じですね。牛丼は如何ですか?
今田:牛丼も好きですね。
米BCD:食べ方とかありますか?
今田:汁だくで頼んで、来たら、まず七味と紅生姜を入れます。それから、丼の淵から3センチぐらいのところに箸を差してぐるっとかき混ぜる。なので食べる時には牛と米がミックスされた状態ですね。
米BCD:そして頂くと。
今田:もう「かき込む」といっていいですね。椎名誠さんが「わしわし」というのを食べる表現で使われてますけど、あんな感じです。ガツガツという程早く力強くもなく、モリモリという程量が多くもなく。
米BCD:ぴったりな表現ですね。
今田:あ、汁だくで思い出した。私、19歳で東京に出てきて飲食店でアルバイトしてたんですけど、その時初めて鍋の残り汁にご飯と卵を入れるっていうのを知ったんです。これは美味い!と。
米BCD:美味しいですね。
今田:地元にいた頃は、うどんだったし。関西圏だからかな?でも、あれって店によっては残った鍋の具を全部取り出してから、ご飯いれるでしょ?それ見ると「その具を取らないで、そのままにしといてぇ〜」って思っちゃう。その方が美味しいのにって。
米BCD:それはありますね。
今田:だから、まとまって一緒になってる方が好きなのかな。定食みたいに、ご飯、味噌汁、おかず、お新香みたいにバラバラなっているのよりも、一皿にどーんというがいいですね。刺身定食より海鮮丼、カツ煮定食よりカツ丼という感じで。
米BCD:一つで集中できますしね。お餅は如何でしょう?お正月とか。
今田:お正月には確実に食べますね。毎年実家に帰ってるから、そこのお雑煮。それから、家でも嫁さんの実家の方の少し独特な雑煮を食べますね。
米BCD:その独特さ、伺いたいです。
今田:白菜と出汁と醤油で、とろけるまで餅を煮るんです。汁にどろっとした餅が漂う感じの。飾りっ気はなくて、まさに「雑煮!」っていう。
米BCD:白菜の味が出た汁と、とろっとしたお餅と絡むって美味しそうですね。お正月以外では如何でしょう。
今田:基本的にお餅は家に通年でありますよ。
米BCD:パックの切り餅とかですか?
今田:そうですね。あれってちょっと食べるには手頃でなんですよ。ちょっと濡らしてレンジでチンして、おろしや納豆と。レンジだと茹でたでもなく、焼いたでもなく、丁度いい感じがでるんですよ。
米BCD:鍋とかにも入れたりしますか?
今田:うどんとかご飯だと少し重いけど、なんか炭水化物が欲しいなーと思う時には入れますね。調整役的な感じで。あと、ご飯を鍋に入れると「終わり感」がでるじゃないですか?餅だと1個2個入れて、呑みながらつまんでもいいし、具を足してもいいし、まだ継続できるからいいですね。
米BCD:確かに、ご飯は〆って感じですね。他のお米食品で好きなのありますか?
今田:ビーフンは好き。あの細さと歯ごたえが。でもお米だから好きとは考えたことはなくて、一皿で具と一緒になって食べられるから、というのが大きいかもしれないですね。東京で中華屋のバイトしてた時期にも食べましたけど、やっぱり幼少期が関西だったから、ケンミン※1のコマーシャルを浴びてたというのもあると思います(笑)。
米BCD:あのフレーズ、インパクトありますよね。お仕事で行かれる機会が多いかと思いますが、海外でもお米って食べますか?
今田:食べますね。でも長粒種には慣れてないです。インドのビリヤーニー※2とか、チャーハンみたいになってるのは美味しいんですけど、サイドディッシュみたいに出てくると苦手ですね。
米BCD:いわゆるインディカ米ですね。
今田:そう、国際線の機内食でも、いわゆる「ビーフ or チキン」で、ビーフを選んだら付け合せで長粒種のライス、さらにパンも付いてきて。何でこの組み合わせ?とチキンの方を覗くとポテトとブロッコリーかなんかで、あーそっちの方が有利だったなー・・・って。
米BCD:有利なんですか(笑)。でもポテトとパンというのはよくある組み合わせですしね。
今田:この前行ったエチオピアのホテルでも、ビュッフェに海苔巻きがあったんですね。
米BCD:それは現地料理であるものなんですか?
今田:いえ、恐らく日本人が宿泊するから、という気遣いだと思います。具はキュウリで、海苔もちゃんとしてるから見た目はカッパ巻きそのもの。でも、お米が長粒種なのと、醤油が無かったので濃いめのドレッシングを掛けてみたりしたから、全然違う食べ物に感じた。
米BCD:見た目が一緒なだけに、余計に感じそう。とはいえ、日本でもあるんでしょうね。現地の人からみたら、近いけど違う海外風料理。
今田:まあ、ジャポニカ短粒種の方が、世界的にはマイノリティーっていうのもあるかもしれないですけどね。
米BCD:なるほど。食べる以外だと、お米について何かありますか?
今田:研ぐのは好きですね。3本指でグリグリっとして、水を入れて・・・あ、水は1回1回完全に切りたい方ですね。濁った少し水が残ってて、また水入れた時ふわーと薄まるのを見ると、1回分の作業が無駄になった感じがして。まあ、透明になるまで研ぐのもあんまりよくないって聞きますけど。
米BCD:3本指派なんですね。田んぼの思い出とかはありますか?
今田:農作業で、というのではないんですけど、小学生の頃、まだ近所に田んぼが沢山あって、よくカエル取りしてたんです。で、捕まえる為に、田んぼに入っていった感触は「足」で覚えてますね。ただの泥とも水とも違う、乗っかると沈んでまた元に戻るあの感じ。ああいう感覚は田んぼ以外では感じたことないな。足が泥に取られるんだけど、抜くと泥はあんまり付いてなくて。蛭は付いてきたりするけど。
米BCD:蛭ってあの血を吸う?
今田:そう、あのヒル。小さい時は何か怖くてね。今考えるとそんな訳ないんだけど「ほっておくと、どんどん体の中に入って来ちゃう」とか思ってたり。それでも田んぼに入っていっちゃうんですけど(笑)。あ、今考えると他所の田んぼだから、勝手に入っちゃうって凄く失礼っていうか迷惑な話ですね・・・
米BCD:農家の人は「またあの小学生がぁー」と思われてたかもしれないですね。本日は色々なお話、ありがとうございました。
今田: ありがとうございました。
※1 ケンミン:ケンミン食品株式会社。神戸に本社がある食品会社。「焼きビーフン」のコマーシャルは80年代頃にはテレビで多々見かけられた。
※2 ビリヤーニ:インドの米料理。スパイスや具材を炊き込んだご飯。
=======
今田 純:1961年 西宮出身
海外営業プロデューサーとして、世界各地を渡り歩く。